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砂の中の仏: 27. 識在

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;最も純粋なる存在は認識である。「認識する」というそのことが既に存在なのだ。私たちは普通、認識される前に自然界があって、たとえば鉱物や水や空気のようなものが観察者以前に存在していたものと考える。そのことは私たちの日常と照らしていかにも正しく思われる。しかしその種の存在は、存在界が大分発展した後の存在であって、より根本的な存在は、そこに認識があるということだ。認識がある、形がある、そのことが正に存在なのである。「物質運動が無くても認識はある」と主張する人もあろう。本当は、「知る刹那に既に動いている」のである。 12288;つまり、存在が認識で認識が存在である。筆者はここで両者の 不可分可分. 12288;この存在と同時の認識を「識在」と呼んでおく。識在は認識と存在の基源である。認識と存在は普通別もののように語られるが、これらは識在を二つの切り口から眺めたものだ。識在という言葉には、認識性と存在性の他に&#122...英語版：　An inquiry into ShikiZai. 12288;それは砂の中の仏を...

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砂の中の仏: 5. 鈴木大拙の「即非の論理」

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 5 鈴木大拙の「即非の論理」. 12288;総ての認識の本質は、「それはそうでないからそうだ」ということで、大拙はこれを即非の論理と名づけた。 12288;即非の論理は、禅宗や真宗を初め仏教関連の著者として世界的に有名な鈴木大拙の捻出した言葉だ。大拙は禅宗の師家ではないが、禅の見性経験を持たれた人である。博士という称号では大拙を評し切れない。禅と真の伝道師とでも呼ぶ方が、むしろ適切であろう。大拙は、歴史上、西洋に最も多大な影響を与えた日本人の一人である。 12288;即非とは、大乗仏教の哲理を代表する不可思議の言葉である。即は「等しい」又は肯定を、非は「異なる」又は否定を意味する。これを英語に訳すには、Equal-Not Logic というのが適当であろう。 12288;「般若即非の論理」は「AはAである、AはAでないがゆえに」という、. A=B, A =not B ). A=A, A =not A ). 12288;大拙はあたりまえのように「黒は白だから黒だ」と言う。ある...12288;空を認識論的に観ると&#...

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砂の中の仏: 8月 2012

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;是非是非から是々非々への変遷は、村社会が少し都会的になっただけ。一方、. 即非の論理 は、認識界を根底から一新する。 12288;ああして欲しい、こうして欲しい。自分のためとか所属する集団のために、是非是非お願いしますと言う。是非是非主義も善欲的か忘己利他的なものなら大歓迎だが、だいたいは貪瞋痴（とんじんち）の三毒に侵され、食睡色に財と名利を加えた五欲で是非是非とやる。そうした個人的な欲は、組織の目的の中では更に複雑に歪められてしまう。そこに人間性とか人間味が見え隠れするわけだが、知的に見て人類の進歩は限定的である。とにかく、最初に開けた 認識界. が窺える。多くの場合是々非々は是非是非の隠れ蓑だ。しかし、認識界は混沌から秩序へ、無理が引っ込み是々非々の道理の世界へ出てくる。 12288;是非是非から是々非々への変遷は村社会が少し都会的になっただけだ。認識界はささやかな進化に留まる。一方、. ラベル: Ⅰ 即非の論理. 6 鈴木大拙（だいせつ）的転回. に一大転回をもたらした。アインシュタ...

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砂の中の仏: 19. 即非認識、EQN認識、柔らかい認識

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 19 即非認識、EQN認識、柔らかい認識. 12288;Equal-Not認識は、「それ」と「それでないもの」とを透かし見る。この認識は、「それはそうでないからそうだ」という認識の第一原理に従う、透明で、軽く柔らかい認識である。 12288;恐らく、地球上のどの人にとっても切実な問題は、「苦しみから解放されるにはどうすればよいか」ということだろう。読者は、全的理解の中にはどうやら人間苦はなさそうだと思われたかも知れない。しかし、もし全的理解というものを知性以前の感覚性の中に見出そうとして、 Equal認識 (EQ. を排除して全的理解に回帰しようとすれば、人間をやめて動物に帰ろうとするのと同じことなのだ。むしろ、人間が人間でいるためには、EQ認識を捨てずに、EQ認識を活かしつつ、元の全的理解を回復したいのである。 1 無明（むみょう）：　知性と感情によって、却って真実が見えなくなっている状態。 ラベル: Ⅱ EQN認識論. Isness and Sokuhi (New blog). 12288;それは砂の中の仏を彫...

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砂の中の仏: 11月 2012

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;ご飯が美味いと感じる条件は、喜んでご飯を食うこと。 ただ人みずから肯いて、即ちまさに親しだ。だとすると、私たちは一体何処に住んでいるのか。 12300;神は居る」と思う人には神がいるような奇跡が起こり、阿弥陀の名号を称える人は、弥陀の大悲を確信させられるに至る。 ある人は「神は存在する」といい、ある人は「神はいない」と言うだろう。こうしたことは各自の経験によるのである。理屈ではない。 12289;神が人を創ると見ても人が神を創ると見ても、結局は同じことなのだ。 12288;超能力の清田氏が、超能力はあると思えばあるし、無いと思えば「無いような現象が起こる」と言っていた。「ただ人みずから肯いて、即ちまさに親し」である。 だから、飯を食うときには、肯いてそれを食うべきだ。 12300;食べるぞ」、という肯定的な意識こそが、ご馳走を創る。 12288;だから、何ごとも放り投げてはいけない。何でも最後まで丁寧に送り届けるのが礼儀なのである。 ラベル: Ⅴ 善心を敬う. 12288;青山は常に歩を運び&#1228...

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砂の中の仏: 9. 精神と物質の相対性

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;精神と物質は、別々に分かれた領域を持つものではない。時間と空間が相対的であるように、精神と物質も相対的である。 12288;2008年にノーベル物理学賞を受賞された益川さんが、「クォークが解ると心も解りますか？」と問われて「いや心は解らない。」と即座に答えていた。「物理学で心も説明できる」と言ってはいけないのだ。しかし哲学においては、「思い」というものの扱いが学問体系全体の要になってくる。西田哲学で有名な西田幾多郎は「善の研究」の序に、「純粋経験を唯一の実在として総てを説明したい」と書いている。また、量子力学のシュレーディンガーに「精神と物質」という書がある。...12288;大拙の「仏教の大意」から引用する。「華厳思想では、『事』は個、特殊、具体、原子などの義で、『理』は全、一般、抽象&#122...英語版：　Mind and Matter. ラベル: Ⅰ 即非の論理. Isness and Sokuhi (New blog). 19 即非認識、EQN認識、柔らかい認識. 12288;それは砂の中の仏...

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砂の中の仏: 1. 無明、世界的混乱の理由

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;私たちが常に頼りとする思考というものは、いつでも過去の感情に縛られている。つまり、現代社会を覆う世界的大混乱の屋台骨を無明が支えている。 12288;現世、娑婆（しゃば）、何と呼ぼうとも、私たちの生きる世界は苦渋に満ちている。それは人間が感受する生きものだからだ。感受する故に、人はどうあがいても肉体的痛みからは逃れられない。しかし、痛みそのものが直ちに人間苦ではない。痛みはただ痛みだ。では人間苦とは何か。それは、希望する境遇と現実との矛盾である。もし人間の理解力が十分に高ければ、それらの矛盾や闘争はきっとその場で解決するのだ。現実には、低い理解力に根差した混乱が人間界に蔓延している。理解力の低下は現世的な執着から生ずる。執着とは...12288;理想への努力、すなわち「欲しい世界を捏造すべく煩悶すること」を止めてしまえば人間苦はない。つまり人間は創造のために苦しむのである。神の創造はどうか知らぬが、人間の創造は人間本来の...ラベル: Ⅰ 即非の論理. 12288;それは砂の中の仏を彫り出すようなものだ...

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砂の中の仏: 47. 釈尊の認識法

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65339;精神と物質の相対性］　禅と即非、鈴木大拙、若い人や理系の人のための仏教入門。 12288;汝はもはや家を造ることなからん。積み上げの利かない非排他基性の認識の場に、. 12288;見性経験後の釈尊には困難とか問題というものが無い。「この世界を造りしものよ、汝は見出されたり。垂木はくだかれたり。汝はもはや家を造ることなからん。」ここで、「この世界を造りしもの」は苦楽のシステムを支えるEQ認識であろう。では、もはや家を造ることのなくなった汝というのは一体何のことか。 釈尊が般若の智慧を体得したとき、すべての問題が氷解したというが、総ての仏教徒はここを目指しているわけだ。 仏教には戒定慧の三学というのがある。戒は戒律、定は禅定、慧は般若の智慧のことだ。戒律は集団生活に規律をもたらし、より深い定を得るための環境を整備する。禅定は、釈尊が正覚を得たときの彼自身の. 肉なことに、非論理的な人は人生を謳歌する。論理的な人は一見不自由な人生を送るように見える。 12288;そして、もはや家を造ることのなくなった汝、. ラベル: Ⅴ 善心を敬う. Isness and Sokuhi (New blog).