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M42 MOUNT SPIRAL: 02/2015
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Meyer-Optik Görlitz Primagon 35mm F4.5. PRIMAGON 35mm F4.5. Primagon(プリマゴン)はドイツのゲルリッツに拠点を置くMeyer-Optik社(メイヤー光学社)が1952年から1964年にかけて生産し、一眼レフカメラのExakta, Contax S, Praktinaおよびレンジファインダー機のAltixに搭載した広角レンズである。前玉に大きな湾曲凹レンズを据えバックフォーカスを延長させることで一眼レフカメラに適合させる「レトロフォーカス」と呼ばれる設計法を取り入れている(下図)。この設計法はメガネをかける近視矯正にも似ているため、「画質的には何らメリットはない」とか「本来は不要な補正レンズだ」などネガティブな認識を持つ方も多く、私もそんな一人であった。しかし、レンズ設計者の本...EBayを介して2014年3月にドイツのプライベートセラーから落札購入した。オークションの記述は「フォーカスリング、絞りリングともにスムーズで軽快に回る。絞り羽に油シミはなく開閉はスムース。...Primagonの設計は3枚玉のトリプレットをレトロフォーカス化...
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M42 MOUNT SPIRAL: 06/2014
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KMZ Orion-15 2.8cm F6(L39). 広い画角にわたり均一な画質を維持することのできる球形状のレンズは、広角レンズに適した設計とされている。このことはレンズの形状が完全に球であると仮定することで、光軸がどの方角にも定義できないことから容易に理解できる。一般にレンズの描写力は光軸の近く(写真中央)が良好で、そこから外れるほど(周辺部ほど)悪くなる。ならば、レンズが光軸の概念を捨てたとき、写真には一体何が写るのであろうか。無収差の世界か。それとも完全に破綻した世界か。おそらくそれは、この種の球形レンズを使った人にしかわからない。 左はCarl ZeissのTopogon(R.Richter設計)で米国特許Pat 2031792(1933)に掲載されていた構成図からのトレース・スケッチ、中央はKMZ製Orion-15の構成で the 1st Soviet Camera Catalogue. KMZ Orion-15 2.8cm F6. Orion(オリオン)シリーズは旧ソビエト連邦(現ロシア)のGOI (政府光学研究所 / Government Optical I...今回入手した一本はGO...
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M42 MOUNT SPIRAL: 07/2015
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Rodenstock Heligon 80mm F2.8 (Graflex XL). 知人からGraflex用のRodenstock Heligon(ローデンストック・ヘリゴン) 80mm F2.8を半日だけお借りし試写させてもらうことができたので軽く取り上げることにした。このレンズは2012年にeBayを介して写真機材専門業者から290ドルで入手したとのことだ。 GRodenstock Heligon 80mm F2.8 (Graflex XL). 米国Graflex社が1965年から1973年にかけて生産した中判カメラのGraflex XLにはPlanarとHeligonの2本の交換レンズが用意された。勘の良い方は「オヤッ?」と思う事であろう。定番のXenotarではなくHeligonだからである。Xenotarと言えば質感を細密に写しとるシャープな描写で人気を博しRolleiflexやLinhofなどに供給され、Planarと双璧をなした名レンズである。ところが、Grafl...F4 Nikon D3 digital,AWB:. Planar(プラナー)と言えばRolleiflex (ローライフレ...
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M42 MOUNT SPIRAL: 08/2015
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写真仲間の「ぽんちゃん」が開く個展「733℃」をご案内いたします。日時は2015年8月31日(月)-9月12日(土)13:00-22:00(日曜は定休)で、場所は代々木のcafe nook( こちら. Carl Zeiss Jena Sonnar 180mm F2.8 ( P6 /M42/Exakta). Zeiss Jenaのデラックス・ゾナー! Carl Zeiss Jena Sonnar 180mm F2.8 (Pentacon 6/M42/Exakta). 胴回りの長さはちょうどメガホンと同じくらいであろうか。旧東ドイツのVEB Carl Zeiss社が生産したプロフェッショナル向け望遠レンズのSonnar (ゾナー)180mm F2.8である。重量はレンズだけでも1.37kgありカメラに搭載し手持ちで撮影していると3分で腕が痛くなるが、本来の母機であるペンタコン・シックスに搭載した場合の画角とボケ量は35mm版換算で100mm F1.5相当という無敵のハイスペックを誇る。このレンズに心酔している愛好者...レンズ構成はZeissのL. Bertele(ルードビッヒ・ベルテ...脚注]でショッピ...
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M42 MOUNT SPIRAL: 03/2014
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Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8(M42)rev.2. Pancolar(パンコラー)の前期モデルと言えば黄色く変色したガラスを持つことから、いわゆる「放射能レンズ」の代名詞的な. 発色の癖を強力に補正し、写真の仕上がりが大きく改善したのである。長い間、死蔵品のような扱いを受けてきたレンズの価値はここに到って見直され、. Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm F1.8. Pancolar各モデルの生産時期と生産本数をブロック形式で表した。各ブロックの面積は生産本数に比例するよう描いている。Pancolarのルーツはプロ用一眼レフカメラのPraktina、およびExaktaの交換レンズとして供給されたFlexon(フレクソン) 50mm F2で、このレンズは1957年から1960年までの3年間に19400本が生産されている。Flexonは1959年にPancolar 50mm F2へと改称され、その後1969年までの10年間で133500...Pancolarの血統はここまでで、Prakticar 1.8/50. 明るく高性能なレンズを開発するには...
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M42 MOUNT SPIRAL: 07/2014
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Carl Zeiss Jena Biotessar 10cm F2.9 :「Zeissの古典鏡玉」特集PART 1 ビオテッサー. Biotessar 10cm F2.9. Biotessarの光学系:左が前方被写体の側で右がカメラの側となる。構成は3群6枚のBiotessar型である。Tessarをベースに改良され、球面収差と非点収差、軸上色収差の補正効果が大幅に強化されている。当時のTessarと比べ解像力と周辺画質が改善されておりシャープネスも高く、F2.8/F2.9の明るさに無理なく対応している。はり合わせ面を多く持つのが特徴である. 重量(実測): 252g, 絞り羽: 15枚, 絞り: F2.9/3.1/4.5/6.3/9/12/18/25, フィルター径: 39mm, 推奨イメージフォーマット(推測値):対角長8.1cm(中判6x6の対角長7.9cmをカバー), 構成: 3群6枚ビオテッサー型, Serial number: 691209. 文献1:Rudolf Kingslake, "A History of the Photographic Lens". BIOTESSARの存在を知っ...
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M42 MOUNT SPIRAL: 03/2015
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Schneider Kreuznach AV-Xenotar 90mm F2.4 HFT. AV-XENOTAR 90mm F2.4(Rolleivision用). 実は最近、ここに至る間に2本のプロジェクターレンズを写真用に転用しようと試みたが敢え無く失敗した。1本目はAngenieux 50mm F1.2であったが、届いたレンズをみたところバックフォーカスが8mm程度しかない。創意工夫で何とかカメラに搭載できたとしてもシャッターに干渉してしまうため断念。このレンズは16mmスライドプロジェクター用であるが、APS-Cセンサーのカメラでは四隅がケラれていた。もう1本は超高速レンズのMeopta Meostigmat 70mm F1.0である。インターネットにAPS-Cカメラによる作例が出ていたので淡い期待を寄せていたが、バックフォーカスは17mm程度と短い上に鏡胴の後玉側が太いため間口の広いSony Eマウントでも収まりきらない。無限遠のフォーカス...Xenotarと言えばリンホフやローライフレックスなど高級カメラに供給されたSchneider社のフラッグシップ・ブランドである...
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M42 MOUNT SPIRAL: 11/2014
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世の中には数え切れない種類のレンズがあり、欧州の光学メーカーにはその一つ一つに固有の名称を与える素晴らしい伝統があります。こうした製品名には開発者の理念や製品コンセプトが反映していることが多く、レンズグルメの一人としては見逃すことのできない重要なポイントです。これは欧州のカメラ産業が日本のようなオールインワンでの製品開発を主流とはせず、カメラやレンズ、シャッターなどパーツ毎に開発と生産を分業する体制を敷いていたためではないかと考えられます。 さて、最近「カメラ名の語源散歩」(新見嘉兵衛著・写真工業出版社)という本を手に入れ読んでみましたが、とても興味深い内容でした。ぜひ購入されていてはいかがでしょうか。 本ブログで過去に話題にしたレンズやメーカー等についても、その名称の語源が沢山取り上げられていましたので、この本を含むいくつかの参考文献から関連情報を引用し、私のTEXT&表現で紹介させていただきました。参考文献を下記にあげさせていただきます。 12300;カメラ名の語源散歩」新見嘉兵衛著・写真工業出版社. Helmut Franz and Edward Reutinger,. 65288;ビオター...
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M42 MOUNT SPIRAL: 01/2015
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ROSS LONDON XPRES 75mm F3.5*. Ross London Xpres 75mm F3.5. 古いフォールディングカメラにはピント合わせを行う際にレンズの前玉をクルクルと回転させ前方に繰り出す「前玉回転式」と呼ばれるピント調整機構を持つレンズがみられる。レンズの前玉・第1レンズを前方に繰り出し光学系を伸縮(構造変化)させ、これに伴うバックフォーカスの変化を利用してピント合わせを行うという方式である。現在のレンズでは光学系全体を繰り出すヘリコイド式が主流だが、この方式に比べると前玉回転方式は撮影距離に対する画質の変化(収差変動)が大きく、無限遠を基準にシャープで高解像な画質が得られるようレンズを設計する場合にも、ポートレート域から近接域にかけては収差を生かしたソフトな描写表現が可能である[文献1]。これは現代のフローティングシステムにも通じるダイナミックな画質設計であり、ヘリ...Ross Xpresに採用された前玉回転方式のピント調整機構:写真の上段は近接撮影時、下段・. 今回取り上げる一本はオールドレンズ愛好家の諸先輩方が好んで使う英国最古のレンズメーカーRoss(...